森山大道 Moriyama Daido
犬の記憶 終章(1998年)


 

 

 

 

 

<帯より>(表)初めてシャッターを押したきっかけから写真家たちとの熱い出会い、ファインダーを通 して見つづけた時代の流れを12の地名に託して描く、半自伝的エッセイ。60余点の作品も収録。(裏)ぼくが写 真の世界に立ち入る主なきっかけとなったのは、幸か不幸か、二十歳のときの失恋であった。(中略)ぼくには生来、物事を極から極に振る性癖があり、自分で自分を制御できなくなることがしばしばで、そのときもま さしくそうなのであった。つまりぼくは、そんな日々のなかである日突然、オレはカメラマンになる、辛気くさいデザインなんかもう止めたということに決めてしまった。いま思えば、ほぼ百八十度に近いその方向転換の要因の根っこには、やはり何と言っても手痛かった失恋からの、自己救済的心理が働いていたのだと思う。

 

 

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